家族としてどう支える?緩和ケアと向き合う心構え

緩和ケアにおいて、患者さん本人だけでなく、家族の存在はとても大きな意味を持ちます。私も福岡で家族を在宅で見送る経験を通して、家族がどう関わるかによって、本人の安心感や生活の質が大きく変わることを実感しました。

しかし、家族といっても、医療の専門家ではありません。できること・できないことがあり、すべてを背負い込むと精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。今回は、緩和ケアにおける「家族の役割」と「心構え」について、福岡での体験をもとにお話ししたいと思います。

  1. 「何かしてあげなければ」より「一緒にいる時間を大切に」
    緩和ケアでは、痛みや症状のコントロールは医療者に任せてよい部分です。家族に求められるのは、むしろ「そばにいてくれること」「安心できる空気を作ること」です。
    例えば、特別なことをしなくても、好きな音楽を流して一緒に過ごしたり、昔の思い出話をしたりするだけで、患者さんの表情が和らぐ瞬間があります。
  2. 「助けを求めること」も家族の大切な役割
    福岡では、在宅緩和ケアのサポート体制が整ってきており、訪問診療・訪問看護・介護支援専門員(ケアマネジャー)など、地域で支える仕組みがあります。
    困ったとき、無理をせず「助けてください」と言えることも、立派な役割のひとつです。

例えば、福岡市内では「在宅医療・介護連携支援センター」や「地域包括支援センター」などが、家族の相談窓口にもなってくれます。夜間の緊急時にも対応してくれる訪問医や看護師がいるクリニックも多く、孤独を感じずに過ごせる環境があります。

  1. 「心が揺れる」ことを責めない
    看病を続けていると、「もっとこうしてあげればよかった」「怒ってしまった自分を後悔している」と、自分を責めることがあります。でも、それは人として当然の感情です。
    緩和ケアは「完璧にこなすこと」ではなく、「その人らしさを支えること」が目的です。感情を抑え込まず、信頼できる人に話すことも、心のケアの一環です。

福岡の中には、家族向けのグリーフケア(喪失後の支援)を行っている施設もあります。たとえば、久留米や北九州では、病院の中でグリーフカウンセリングを実施するところもあります。

  1. 家族のケアも大切に
    緩和ケアに関わる家族自身も、ケアされるべき対象です。疲れたら休む、感情が辛いときは話をする。福岡の在宅医療の現場では、「家族支援」も含めたチームケアが当たり前になってきています。

終わりに
緩和ケアは、患者だけのものではありません。家族がどのように関わるか、無理せず向き合えるかは、最期の時間をどれだけ穏やかに過ごせるかに直結します。
福岡という地域には、支え合う仕組みが少しずつ広がっています。孤立せずに、地域とつながりながら「その人らしさ」を支えること。
それが、緩和ケアの本質だと、私は思います。

福岡・原土井病院の緩和ケア 地域に根ざした安心のホスピス医療

福岡市東区に位置する原土井病院は、556床を誇るケアミックス型病院で、一般診療から回復期リハビリテーション、療養、在宅医療まで幅広く対応しています。その中でも特に注目されるのが、「緩和ケア内科」です 。

外来と入院を組み合わせた継続的ケア
進行がんやがん末期といった痛みや症状が重い患者さんには、緩和ケア病棟(ホスピス)での入院療養を提供。一方で、症状が安定している時期や、ご自宅で落ち着いて療養をご希望の方には、緩和ケア外来を通じて外来通院でのサポートも可能です。この形態により、患者さんが住み慣れた環境での生活を尊重しつつ、安心して治療を継続できます。

さらに、自宅でのケアが難しいご家庭には「短期入院」の対応も用意。仕事や家庭の事情など個々のライフスタイルも踏まえた柔軟な支援が特徴です。

多職種連携による包括的支援体制
緩和ケアにおいては、痛みなどの身体的ケアに加え、心理的・精神的なサポート、褥瘡(床ずれ)の対応、自宅復帰に向けた生活支援など、多様な課題に取り組むことが重要です。

原土井病院では、心療内科・精神科・皮膚科などの常勤医師と、看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー等による「緩和ケアチーム」を構成。身体だけでなく、心や生活の面まで包括的に支える体制が整っています。

地域密着と高齢者医療へのこだわり
1967年に開院以来、福岡市東区を中心に地域に密着して医療を提供してきた歴史ある病院です。556床規模の中に、104床の回復期リハ病棟や、緩和ケア病棟、療養病棟などを併設し、急性期だけでなく慢性期から終末期まで一貫したケアを提供しています。

特に緩和ケアは、高齢者が多い地域において重要な医療と位置付けられ、高齢者のがんや非がん疾患(心不全や呼吸不全など)に対しても対応する姿勢が評価されています。

患者と家族に寄り添う暖かなケア
口コミサイトにも、「スタッフが非常に親身にケアしてくれた」「ホスピスのような安心感があった」といった声が見られます。ご家族にとっても、信頼できる医療者との関係が大きな支えになるようです。

緩和ケアのポイントまとめ
特徴 内容
継続性あるケア体制 外来+入院+短期入院でライフスタイルに応じた支援を提供
多職種連携 内科だけでなく、心療・精神・皮膚科など他科との協力体制あり
地域密着型の医療 福岡市東区を中心に、一貫したケアを地域レベルで実践
高齢者医療への対応 がんに加えて非がん疾患の症状緩和にも対応

福岡の原土井病院の緩和ケアは、単なる疼痛コントロールにとどまらず、患者さんそれぞれの生活・精神・社会的背景を大切にした包括的なサポートです。地域で最期まで安心という視点をもとに、柔軟かつ暖かなケアを探している方にとって、信頼できる選択肢といえるでしょう。

緩和ケアは終末期だけじゃない?福岡で知っておきたい基礎知識

緩和ケアは終末期だけじゃない?福岡で知っておきたい基礎知識
緩和ケアというと、まだまだ「最期の医療」というイメージが強く残っています。私自身も、身近な人が病気になったときに「ホスピス=死を待つ場所」と考えていました。しかし実際には、緩和ケアは「病気と共に生きる時間を支えるためのケア」であり、決して最期の数日や数週間だけのものではありません。

福岡の医療現場でも、がん治療中の患者さんが副作用で日常生活がつらいときや、慢性心不全の方が息苦しさや不安を抱えているときなど、早期から緩和ケアチームが関わるケースが増えています。緩和ケアは「痛みや苦しみを和らげる」ことだけでなく、「その人が望む暮らしを続けられるようにする」ことが目的です。

具体的には、以下のような支援が受けられます。

症状(痛み・吐き気・息苦しさなど)のコントロール

心理的なサポートやカウンセリング

家族への支援や介護者のケア

自宅療養のための在宅医療チームとの連携

福岡市内や久留米市には緩和ケア病棟を持つ総合病院が複数あり、また、糸島や北九州エリアでは在宅ホスピスをサポートする訪問診療クリニックも充実しています。緩和ケアは病院だけでなく、在宅や施設でも受けられるものです。

次回の記事では、「福岡で利用できる緩和ケアの相談先や施設の探し方」について紹介します。

福岡で緩和ケアを受けるには?相談先と施設の探し方

緩和ケアを検討する際に最も多い悩みが、「どこに相談すればいいのかわからない」ということです。病院で勧められることもあれば、自分や家族が情報を集めて動かなければならないこともあります。福岡で緩和ケアを受けるための主な相談先と施設の探し方をまとめます。

かかりつけ医や主治医に相談する
現在通っている病院がある場合、まずは主治医に緩和ケアについて相談するのが第一歩です。福岡の大きな総合病院では、院内に緩和ケアチームがあり、外来でも対応してくれるケースがあります。

地域包括支援センター
65歳以上の高齢者やその家族は、各地域にある「地域包括支援センター」で相談できます。介護サービスや在宅医療との連携をサポートしてくれます。

福岡県の医療情報ネットや緩和ケア情報サイトを活用する
「福岡県医療情報ネット」や「がん診療連携拠点病院のサイト」では、緩和ケア病棟や訪問診療クリニックを検索できます。

在宅医療を支えるクリニックや訪問看護ステーション
福岡市や北九州市では、24時間対応の訪問診療を行うクリニックが多数あり、自宅での療養を支えます。