ホスピスと緩和ケアの違いとは?福岡の現場から考える

「緩和ケアとホスピスって何が違うの?」
そう尋ねられることが、私はこれまでに何度もありました。確かに、似たような印象を持たれがちですが、両者は目的やタイミング、制度上の違いがあります。

まず「緩和ケア」は、がんや慢性疾患を持つ方に対して、病気の早期から行われる“苦痛の軽減”を目的とした医療・ケアです。痛みや不安の緩和だけでなく、生活の質(QOL)を保つことを重視しており、治療と並行して提供されることも少なくありません。福岡の多くの総合病院では、がん治療の初期段階から緩和ケアチームが関わるケースが増えています。

一方、「ホスピス」は、人生の終末期において“穏やかにその人らしい時間を過ごす”ことを支援する医療です。余命6ヶ月前後とされる末期状態の患者さんに対して提供されることが多く、入院型のホスピス病棟や在宅ホスピスという形で運用されています。福岡市内や久留米市には、聖マリア病院や久留米大学病院など、緩和ケア病棟(ホスピス)を有する医療機関もあります。

また、最近では在宅ホスピスも広がりを見せています。福岡市や糸島市では、自宅で家族とともに最期を迎えるための医療チームが訪問診療・看護・ケアマネジメントを行う体制が整ってきています。

それでは、どちらを選ぶべきか——
それは「治療を続けながら日常生活を大切にしたいのか」「余命が限られる中で穏やかな時間を重視したいのか」といったご本人・ご家族の希望によります。

いずれも、「その人らしく生きること」を支えるという点では共通しています。
福岡には選択肢があります。大切なのは、早めに相談し、必要な支援を受けること。次回は、がん以外の病気における緩和ケアの活用についてご紹介します。