「緩和ケアって、がん患者のためのものですよね?」
実はそうではありません。緩和ケアはがんに限らず、心不全、慢性呼吸器疾患(COPD)、ALS、認知症など、さまざまな病気と共に生きる人を支える医療でもあります。
たとえば、心不全を繰り返す高齢者が「息苦しくて外出できない」「不安で夜も眠れない」といった症状に悩まされる場合、緩和ケアは有効です。福岡の医療機関でも、非がん患者への緩和ケアが徐々に浸透しており、訪問診療やチーム医療の体制が整ってきています。
実際に、福岡市立こども病院では、神経疾患などを持つ子どもへの緩和ケアを行っており、家族のケアにも力を入れています。久留米大学病院では、ALS患者へのチームアプローチが行われ、在宅での生活を支える仕組みが強化されています。さらに北九州市では、認知症高齢者に対しても在宅医療と緩和ケアが連携し、症状の緩和と家族支援が進んでいます。
非がん疾患でも、痛み・不安・生活上の困難は少なくありません。むしろ、進行が緩やかなぶん、長期間にわたって支援が必要になることもあります。そうしたときこそ、緩和ケアの力が発揮されます。
「がんじゃないから相談できない」と思わずに、まずはかかりつけ医や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。福岡県では、がん相談支援センターも非がんのケースに対応しており、制度や医療機関の紹介を行っています。
緩和ケアの本質は、「病気の種類」ではなく「人のつらさをどう和らげるか」。
福岡でも、そうした視点からの取り組みが着実に広がっています。今後も、このブログを通じて、非がん領域の緩和ケアについても丁寧に伝えていきたいと思います。